概要

我々は地域での建築のあり方をテーマに 約40年前にスタートを切りました。

 

無国籍な住宅が地域の景観を破壊し 全国の風景が一律化していくことに危惧を抱いてのことです。
これからの日本の地域における住宅はどうあるべきか、という命題を探してきました。

その過程で湿気の多い墨絵のような気候風土を持つ日本の歴史の中から生まれた民家に着目しそれを検証し、

どう継承・発展させていくかを考えるに至りました。

それまで建築の設計界では自然発生的な民家を設計に採り込むことは創造的な仕事ではないということでタブーとされてきました。

しかし グローバル化が進む今日 地域のアイデンティティーが消失していくことへの反動として 注目されるようになりました。


我々は勉強のため数多くの民家や集落を見て歩き そこから新築の住宅を発想していくことから始めたのですが

見て歩く中で 多くの古民家が無造作に壊されていくのを目の当たりにしました。

残したいが再生の方法が確立されていない ということが 大きな原因でもあることを知りました。

地域の建築家の責務として対応することを求められているのではないかと考え バブルの最盛期に白い眼で見られながらも

再生の方法を求めて「古民家再生工房」を仲間と設立し、活動を始めました。

今ではブームとなり隔世の感を持ちますが やっと歴史から学び 未来へ生かすことの大切さが認識されたものと思います。